12月3日(土)17時には作家在廊のもとソフトオープニングを、12月18日(日)には、ハイドルン・ホルツファイントと哲学者でアナキズム研究者の森元斎によるトーク、「いろ」の織茂敏夫と尺八奏者の織茂サブよるエナジー・フリー・ライブを開催します。
アサクサは、オーストリア出身のアーティスト/映像作家ハイドルン・ホルツファイント(1972-)による日本初個展『こんな今だから。』を開催します。社会に溶け込む景観や建築に潜在する権力空間は、人々の振る舞いを制限するという政治的側面を持ちながらも、アイデンティティ形成にも与してきました。ホルツファイントは、ユートピア思想から生まれた、合理性と機能性を重視した20世紀のモダニズム建築が、現在そして歴史的に社会の中でどのように機能し、人々の日常、そしてアイデンティティに何をもたらしてきたのかを、丹念なリサーチに基づいて、映像、写真、インスタレーション作品として発表してきました。
本展では、ホルツファイントが日本で制作した2つの映像を軸としたインスタレーション作品《the time is now.》(2019)を展示します。メインスクリーンに流れる映像では、ル・コルビジェに師事し、日本のモダニズム建築の先鋒となった吉阪隆正の設計による「大学セミナーハウス」(八王子・多摩丘陵)を舞台に、シャーマニック・インプロ・デュオ「いろ」による神楽舞と即興演奏が繰り広げられます。モニターの映像からは、チェルノブイリ原発事故以降、電気を使わない音楽「エネジー・フリー・ミュージック」を実践し、辺野古埋め立て反対、反戦、投票活動を促すポスターを自作し、時に街頭に立つ活動家、そして生活者としての2人の顔が浮かび上がります。音楽、アート、そして日々の営みにおける個性の衝突や融合を通して、家父長制ではなく、アニミズムに潜在する男女の関係性を探求する彼らのこうした日々の営みは、社会や世界を変えるためのものではなく、誰かによって支配されないためのある種の不服従行為であり、小さな抵抗の実践なのです。
近代が築いた制度基盤への揺さぶりがますます加速し、世界各地で小さな地殻変動が起きている今、本展は次のような問いを投げかけるでしょう。19世紀後半の急速な近代化により、政治経済、社会制度、そして文化面においても、換骨奪胎を繰り返してきた東アジアの一国において、超自然的で女性的な土着のアニミズムと、男性的なモダニズムは、集団的なアイデンティティ形成の過程でどのように内面化され、どのように社会に表出してきたのでしょうか?そしてこの二項対立はいかに個人、そして社会の内面化の過程を支え、どのように超克できるのでしょうか?歴史的に風景化されたイメージのなかで、個人の不服従や拒否行為の物語は、凝り固まった全体を解体し、攪拌させ、宇宙的生態系との融和を図ることができるのでしょうか?
小さなスペースです。マスク着用でお越しください。
アサクサは、オーストリア出身のアーティスト/映像作家ハイドルン・ホルツファイント(1972-)による日本初個展『こんな今だから。』を開催します。社会に溶け込む景観や建築に潜在する権力空間は、人々の振る舞いを制限するという政治的側面を持ちながらも、アイデンティティ形成にも与してきました。ホルツファイントは、ユートピア思想から生まれた、合理性と機能性を重視した20世紀のモダニズム建築が、現在そして歴史的に社会の中でどのように機能し、人々の日常、そしてアイデンティティに何をもたらしてきたのかを、丹念なリサーチに基づいて、映像、写真、インスタレーション作品として発表してきました。
本展では、ホルツファイントが日本で制作した2つの映像を軸としたインスタレーション作品《the time is now.》(2019)を展示します。メインスクリーンに流れる映像では、ル・コルビジェに師事し、日本のモダニズム建築の先鋒となった吉阪隆正の設計による「大学セミナーハウス」(八王子・多摩丘陵)を舞台に、シャーマニック・インプロ・デュオ「いろ」による神楽舞と即興演奏が繰り広げられます。モニターの映像からは、チェルノブイリ原発事故以降、電気を使わない音楽「エネジー・フリー・ミュージック」を実践し、辺野古埋め立て反対、反戦、投票活動を促すポスターを自作し、時に街頭に立つ活動家、そして生活者としての2人の顔が浮かび上がります。音楽、アート、そして日々の営みにおける個性の衝突や融合を通して、家父長制ではなく、アニミズムに潜在する男女の関係性を探求する彼らのこうした日々の営みは、社会や世界を変えるためのものではなく、誰かによって支配されないためのある種の不服従行為であり、小さな抵抗の実践なのです。
近代が築いた制度基盤への揺さぶりがますます加速し、世界各地で小さな地殻変動が起きている今、本展は次のような問いを投げかけるでしょう。19世紀後半の急速な近代化により、政治経済、社会制度、そして文化面においても、換骨奪胎を繰り返してきた東アジアの一国において、超自然的で女性的な土着のアニミズムと、男性的なモダニズムは、集団的なアイデンティティ形成の過程でどのように内面化され、どのように社会に表出してきたのでしょうか?そしてこの二項対立はいかに個人、そして社会の内面化の過程を支え、どのように超克できるのでしょうか?歴史的に風景化されたイメージのなかで、個人の不服従や拒否行為の物語は、凝り固まった全体を解体し、攪拌させ、宇宙的生態系との融和を図ることができるのでしょうか?
小さなスペースです。マスク着用でお越しください。
ハイドルン・ホルツファイント (1972年生まれ) は、現在ベルリンを拠点とするオーストリア出身のアーティスト/映像作家。ウィーン大学で美術史を、ウィーン美術アカデミーとニューヨークで彫刻を学ぶ。社会に内在するモダニズム建築や社会的ユートピアの機能の関心から、歴史とアイデンティティ、個人の物語と政治的ナラティブの関係を、映像、写真、インスタレーション、アーティストブックを通して探求。ニューヨーク近代美術館(MoMA)、ウィーン近代美術館(Mumok)、イスタンブールビエンナーレなど、世界各地の美術館やフェスティバルでの展示、スクリーニングに招聘されている。カメラ・オーストリア賞、オーストリアアーツカウンシル優秀アーティスト賞などオーストリアを中心に高い評価を受ける。
いろは、1981年に結成された織茂敏夫(1946-)とおりもしづこ(1944-2019)によるシャーマニック・インプロビゼーション・デュオ。結成当初はフリージャズにパンクノイズの要素を加えた破壊的でハイエナジーな即興演奏を得意としてきたが、チェルノブイリ原発事故の衝撃から、電気楽器を使わない演奏へシフトし、民族音楽の影響を強め、1970年代のフリージャズ的な即興演奏に、古神道、アニミズム信仰の混合させた「パンク神楽」などを日本各地の名もなき神々の祠の前で行ってきた。脱原発、反核、反戦、人権運動に呼応しながら、商業主義に便乗する活動を一切否定し、自給自足の音楽活動を実践している。
関連イベント
ソフト・オープニング
作家在廊のソフトオープニングを実施します。 日 時:2022年12月3日(土)17:00〜 場 所:アサクサ
エナジーフリーライブ&トーク
ハイドルン・ホルツファイントと哲学者でアナキズム研究者の森元斎によるトークおよび織茂敏夫と織茂サブによるエナジーフリーライブを実施します。お席に限りがございますので、事前にご予約ください。
日時:2022年12月18日(日)19:30〜21:30
場所:アサクサ(19:20までにお集まりください。)
プログラム:織茂敏夫(ピアノ)と織茂サブ(尺八)によるライブ、ハイドルン・ホルツファイントと森元斎によるトーク、Q&A.
参加費:1,500円
お申し込み:①お名前、②Eメールアドレス、③お電話番号、④参加希望人数を記載の上、team@asakusa-o.comまでお申込みください。お席に限りがあるため、お早めにご予約ください。
展覧会
ハイドルン・ホルツファイント『こんな今だから。』
2022年12月3日[土]〜12月30日[金]
12:00-19:00 *金土日のみ開廊
会場:ASAKUSA | 台東区西浅草1-6-16
助成:オーストリア文化フォーラム東京
協賛:0-eA
本展は、「アサクサエンターテイメンツ2022: 知らないことの政治学」の一環として実施されています。特設サイトはこちら→ https://0-ea.art/politics-of-notknowing.html
いろは、1981年に結成された織茂敏夫(1946-)とおりもしづこ(1944-2019)によるシャーマニック・インプロビゼーション・デュオ。結成当初はフリージャズにパンクノイズの要素を加えた破壊的でハイエナジーな即興演奏を得意としてきたが、チェルノブイリ原発事故の衝撃から、電気楽器を使わない演奏へシフトし、民族音楽の影響を強め、1970年代のフリージャズ的な即興演奏に、古神道、アニミズム信仰の混合させた「パンク神楽」などを日本各地の名もなき神々の祠の前で行ってきた。脱原発、反核、反戦、人権運動に呼応しながら、商業主義に便乗する活動を一切否定し、自給自足の音楽活動を実践している。
関連イベント
ソフト・オープニング
作家在廊のソフトオープニングを実施します。 日 時:2022年12月3日(土)17:00〜 場 所:アサクサ
エナジーフリーライブ&トーク
ハイドルン・ホルツファイントと哲学者でアナキズム研究者の森元斎によるトークおよび織茂敏夫と織茂サブによるエナジーフリーライブを実施します。お席に限りがございますので、事前にご予約ください。
日時:2022年12月18日(日)19:30〜21:30
場所:アサクサ(19:20までにお集まりください。)
プログラム:織茂敏夫(ピアノ)と織茂サブ(尺八)によるライブ、ハイドルン・ホルツファイントと森元斎によるトーク、Q&A.
参加費:1,500円
お申し込み:①お名前、②Eメールアドレス、③お電話番号、④参加希望人数を記載の上、team@asakusa-o.comまでお申込みください。お席に限りがあるため、お早めにご予約ください。
展覧会
ハイドルン・ホルツファイント『こんな今だから。』
2022年12月3日[土]〜12月30日[金]
12:00-19:00 *金土日のみ開廊
会場:ASAKUSA | 台東区西浅草1-6-16
助成:オーストリア文化フォーラム東京
協賛:0-eA
本展は、「アサクサエンターテイメンツ2022: 知らないことの政治学」の一環として実施されています。特設サイトはこちら→ https://0-ea.art/politics-of-notknowing.html